診療内容

高橋ウイメンズクリニックの
診療内容をご案内いたします。

治療の流れと主な治療メニュー

当院の治療の流れ

  • 初診予約
  • 初診・基本検査
  • 治療内容の説明・ご相談
    治療方針・計画の決定
  • 治療(一般不妊治療・高度生殖医療)/サポート体制
  • ご卒業

※女性が50歳以上の場合、腹腔鏡手術、卵子提供は、当院ではお受けしておりません。
また年齢を理由とした卵子凍結は、現状ではお受けしておりません。

治療

自然に近いタイミング法から始め、半年ごとにステップアップするのが一般的です。

治療のステップアップイメージ

  • タイミング療法 比較的年齢が高い方は半年を待たずにステップアップをお勧めいたします。
  • 人工授精 精子がかなり不足、または女性の年齢が高い方は人工授精をスキップすることがあります。
  • 体外受精 両側卵管の異常、重度の子宮内膜症、卵巣機能が低下している方、女性の年齢が36歳以上の方は早期の治療開始をお勧めします。

一般不妊治療

タイミング療法

排卵日を予測して性交渉のタイミングを指導する方法です。

人工授精(AIH)

子宮内へ医療的に補助して精子を注入する方法。精子が少ない方や性交渉が持ちにくい方にお勧めします。当院では、精液を洗浄・濃縮して運動率の良い精子を選び注入しています。
排卵誘発剤を併用することもあります。

排卵誘発剤併用

生理不順な方、生理がおこりにくい方、高温期が短い方は、排卵がうまくいっていないことが多いため、タイミング療法や人工授精に排卵誘発剤を併用します。また、原因不明の方にも、排卵数を増やすために、排卵誘発剤を使用することがあります。

高度生殖医療 (ART)

体外受精(IVF)・胚移植(ET)

卵巣から取り出した卵子(採卵)と精子をシャーレ(プラスティックの皿)の中で混ぜ合わせて受精させ、数日育てた受精卵(胚:ハイ)を子宮内に戻す(胚移植)治療法です。

  • 人工授精を5~6回受けた方、卵管に問題がある方、精子がかなり少ない方が主な対象です。
  • 高齢の方、卵巣機能が低下している方、子宮内膜症のある方には早めに開始する事をお勧めします。

顕微授精(ICSI:イクシー)

卵細胞質内精子注入法ともいい、顕微鏡下で精子を卵子に直接注入する方法です。

胚凍結・融解胚移植

卵子と精子が受精し出来た胚をいったん凍結させ、次の周期以降に解凍(融解)して胚を戻す(移植)方法です。

着床不全検査

着床不全とは?

グレードの良い胚(胚盤胞BB以上)を3回以上移植しても妊娠が成立しない場合をいいます。
一般的に着床しない最大の原因は、胚の染色体異常です(40代では、染色体が正常である胚は、胚盤胞の20%程度となります)。したがって主に40歳未満の方を対象に、胚を受け入れる側の要因として子宮内膜の環境を調べる検査や免疫のバランスを調べる検査、着床時期の検査などが試みられています。

着床不全の検査にはどんなものがあるの?

当院では、以下の検査をご提案しています。

  • 子宮鏡検査
    子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、子宮内腔の癒着、慢性子宮内膜炎の有無を観察します。
  • 慢性子宮内膜炎検査
    子宮内膜組織を採取し、炎症細胞の有無を検査します。慢性子宮内膜炎がある場合、抗生剤による治療をおこないます。治癒後に体外受精の着床率が上がるという報告があります。
  • 子宮内細菌叢(フローラ)検査
    子宮内の細菌のバランスが適切か調べます。子宮内の環境を良好に保つ菌(ラクトバチルス:乳酸桿菌)の割合は80%以上が理想とされます。
  • 免疫機能検査
    免疫が強すぎると胚を拒絶する可能性があり、Th1/Th2という免疫機能を採血で調べます。免疫が強すぎる場合には免疫抑制剤を内服します。
  • ERPeak(子宮内膜胚受容検査)
    着床の窓(子宮内膜が胚を受け入れられる時期)のズレの有無を検査して、ずれている場合には、1~2日ずらして胚移植します。

着床については未解明な部分も多いですが、当院では最先端の検査を取り入れ、体外受精の成績向上に努めています。

着床前検査

着床前検査

着床前検査とは

着床前検査(PGT:Pre implantation Genetic Testing)は、体外受精で得られた受精卵(胚)を体内に戻す前に、胚の一部を採取して染色体や遺伝子を調べる検査です。検査は3つの種類に分類され、当院ではPGT-AとPGT-SRをおこなっています。

  • PGT-A(着床前染色体異数性検査)
    偶発的に起こる染色体の数の異常(数的異常)に起因するART※1不成功や流産の可能性を下げることが目的

    <検査対象の条件>

    • 過去の胚移植で2回以上臨床的妊娠が成立していない方
    • 過去の妊娠で2回以上流産している方
    ※1 ART(Assisted Reproductive Technology):卵子や精子を体外に取り出し、体外で受精させる技術(生殖補助医療技術)
  • PGT-SR(着床前染色体構造検査)
    染色体の構造の異常に起因して流産を繰り返す夫婦において、流産の可能性を下げることが目的

    <検査対象の条件>

    • 夫婦いずれかに染色体構造異常がある不妊症や不育症の方
  • PGT-M(着床前遺伝子検査)
    夫婦の遺伝子変異が原因で児が重篤な遺伝性疾患を引き起こす可能性がある場合に、受精卵に遺伝子異常があるかどうか調べる目的
    ※当院ではPGT-Mはおこなっていません。

着床前検査のメリット・デメリット

メリット
染色体の数的異常がある胚を移植対象から除くことで、流産のリスク減少・胚移植あたりの妊娠率の向上が期待されます。
デメリット
  • 検査の為に細胞を採取することで胚へダメージを与える可能性があります。
  • 検査精度が100%ではありません。
    (細胞の採取はのちに胎盤となる部分からおこなう為、胎児の染色体異常が判断できない可能性があります)

着床前検査実施までの流れ

当院を受診されていない方は、初診の予約をお取りください。

  1. 診察
  2. 動画視聴
  3. 遺伝カウンセリング実施(PGT-Aは必須ではありませんが、PGT-SRは必須です)
  4. 同意書提出
  5. 採卵・胚生検(胚の一部を採取)・胚凍結
  6. 医師から検査結果の説明
  7. 胚移植

着床前検査にかかる費用

遺伝カウンセリング費用¥11,000
着床前検査費用(胚1個あたり)¥93,500

※上記とは別に体外受精の費用(採卵〜着床前検査〜胚移植の一連の治療費)がかかり、全額自費となります。詳しくは、本ホームページの「費用について」をご確認ください。

留意事項

  • 着床前検査を受けられるのは、当院で胚移植まで実施していただける方に限ります。
  • 当院で胚移植をおこなわずに、着床前検査の実施のみを目的とした患者様の受け入れはおこなっておりませんのでご了承ください。

手術

不妊原因を取り除く手術を当院でおこなっています。
手術前、手術後、不妊治療の再開と不妊治療を中断することなく、患者様の体の状態やご希望に合わせてスムーズに治療に取り組んでいただけます。

子宮鏡下手術 (レゼクトスコープ)

着床不全による不妊症や習慣流産・不育症の原因となる、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫、中隔子宮、子宮内腔癒着などには、子宮鏡下手術(レゼクトスコープ)を日帰りでおこなっています。
当院の手術実績はこちら

卵管手術

卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル)

卵管がつまっている方は、FTカテーテルで、卵管を押し広げて開通(成功率は約70%)させます。
県内でおこなっているのは数施設のみで、当院は日帰りで手術をおこないます。
当院の手術実績はこちら

選択的卵管造影開通術

子宮卵管造影検査(HSG)おこなった時に、卵管(間質部)閉塞があった場合、その場で卵管開口部に特別なカテーテルをあてて卵管を開通させます。

不育症、習慣流産

不育症とは、妊娠はするが流産・死産を2回以上連続して繰り返しお子様が得られない場合と定義されています。特に3回流産が続く場合には習慣流産といいます。 当院では不育症・習慣流産の検査として、次の検査などをお勧めしています。

  • 糖尿病や甲状腺疾患などの全身疾患の有無
    ※当院では内科診療もおこなっていますので全身疾患の治療も同時におこなえます。
  • 血液凝固能の採血
  • 子宮鏡検査:子宮奇形や粘膜下筋腫の有無などを調べます。
  • お二人の染色体分析

男性不妊(泌尿器科)

不妊症の原因の半数は男性側にも原因があります。
まずは精液検査をおこないますが、問題がある場合には泌尿器科医による男性の検査や精子の精密検査も必要です。
当院では、千葉大学泌尿器科の市川教授が、火・土曜日に診察をおこない、超音波検査や投薬をおこないます。

男性の一般的診察・検査

  • 触診:精巣の大きさ、精索静脈瘤の有無
  • 精液再検査
  • 陰嚢部超音波検査:精索静脈瘤の血流の測定
  • ホルモン検査:男性ホルモン、血糖など

特殊検査

  • 染色体検査(血液):重症の乏精子症の方には血液で染色体分析をおこないます。
  • 精子の特殊検査
    ・クルーガーテスト(精子形態精密検査)
    ・精子DNA断片化試験(DFI検査)
    ・精子酸化ストレステスト(マイオキシス)

手術

  • 精巣内精子採取手術(TESE)
    無精子症の方は、精巣より組織を採取し精子を探します。精子が確認できた場合には凍結保存し、後日顕微授精による授精を目指します。局所麻酔による日帰り手術です。
    ※日帰りでは難しい場合には、千葉大学にご紹介して入院手術となります。その場合、精子は当院に移送・保管致します。
  • 精索静脈瘤手術
    血流が悪い場合には、千葉大学にご紹介して入院手術となります。