当院の活動実績

研究開発や学会発表等のご紹介です。

研究開発

当クリニックにおける研究活動の情報公開について

高橋ウイメンズクリニックでは、「ちばIVFセンター」において生殖医療/不妊治療の臨床研究を行っております。
臨床研究を実施する際には文書もしくは口頭で説明を行い、同意を得たうえで実施します。臨床研究のうち患者様への侵襲*1や介入*2もなく、過去の診療録(カルテ)等の情報のみを用いた研究等については、国が定めた指針に基づき、患者様のお一人ずつから同意を得る必要がありません。しかし、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し拒否の機会を保障することが必要とされております。このような手法を「オプトアウト」といいます。
オプトアウトを用いた研究は以下の通りです。研究への協力をご希望されない場合やご質問等は、お手数ですが、下記までご連絡をお願いいたします。

連絡先:高橋ウイメンズクリニック 院長 髙橋敬一
TEL: 043-243-8024

生殖医療/不妊治療はいまだに発展途中であり、個人の情報を保護した上で、生殖医療の進歩に役立つ解析・研究を行い、皆様へより良い生殖医療を提供できるために、ご理解とご協力をお願い致します。

*1 侵襲とは、手術や医療処置などによって生体内に何らかの変化をもたらす行為
*2 介入とは、研究目的で実施する医療行為

研究課題一覧

番号をクリックしていただくと研究課題の詳細をご覧いただけます。

TWC20-001 体外受精胚移植における胚の受精能、胚発生能および妊娠能の後方視的検討
TWC20-002 凍結胚盤胞の融解後の培養に用いる培養液が胚着床能に及ぼす影響
TWC21-002 慢性子宮内膜炎の臨床的検討
受付番号 TWC20-001
研究課題名 体外受精胚移植における胚の受精能、胚発生能および妊娠能の後方視的検討
実施責任者 高橋ウイメンズクリニック 院長 髙橋敬一
研究目的 最適な治療・胚培養環境の確立を目指すため、体外受精の胚盤胞発生率と患者背景、排卵誘発方法、培養条件との関連を後方視的に検討する。
研究期間 承認後~2023年3月31日
研究対象者 2016年~2020年に当院で体外受精胚移植を施行した方
研究の方法
(使用する試料/情報等)
利用する情報:カルテから診療情報、Wish(体外受精管理システム)から培養記録
個人情報の取り扱い 利用する情報から氏名や住所等の患者様を直接特定できる個人情報は削除いたします。また、研究成果は学会等で発表を予定していますが、その際も患者様を特定できる個人情報は利用しません。
本研究の資金源 本研究に関連し開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。
お問い合わせ先 高橋ウイメンズクリニック ラボ課
電話 043-241-8017(直通)
受付番号 TWC20-002
研究課題名 凍結胚盤胞の融解後の培養に用いる培養液が胚着床能に及ぼす影響
実施責任者 高橋ウイメンズクリニック 院長 髙橋敬一
研究目的 凍結胚融解後の回復培養(2〜3時間培養)に用いる培養液あるいはそれに添加する物質が胚盤胞の接着現象へどのように影響するかをin vitro実験で検証する
研究期間 承認後~2024年3月31日
研究対象 高橋ウイメンズクリニックにて体外受精を行い、移植されることなく患者が廃棄を希望した凍結胚盤胞
研究の方法
(使用する試料/情報等)
廃棄凍結胚盤胞を用いて、着床能・着床後胚の成長・胚盤胞の分化・遺伝子発現の変化を調べる
個人情報の取り扱い 利用する情報から氏名や住所等の患者様を直接特定できる個人情報は削除いたします。また、研究成果は学会等で発表を予定していますが、その際も患者様を特定できる個人情報は利用しません。
本研究の資金源 本研究に関連し開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。
お問い合わせ先 高橋ウイメンズクリニック ラボ課 岡部
電話 043-241-8017(直通)
受付番号 TWC21-002
研究課題名 慢性子宮内膜炎の臨床的検討
実施責任者 高橋ウイメンズクリニック 院長 髙橋敬一
研究目的 慢性子宮内膜炎の治療薬の効果と胚移植後の成績について
研究期間 2018年5月~2023年3月
研究対象者 2018年2月~2021年3月に慢性子宮内膜炎の検査を受けられた方
研究の方法
(使用する試料/情報等)
カルテから診療情報
個人情報の取り扱い 利用する情報から氏名や住所等の患者様を直接特定できる個人情報は削除いたします。また、研究成果は学会等で発表を予定していますが、その際も患者様を特定できる個人情報は利用しません。
本研究の資金源 本研究に関連し開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。
お問い合わせ先 高橋ウイメンズクリニック ラボ課 樋口
電話 043-241-8017(直通)

論文発表

胚移植当日のGM–CSF含有培養液使用で胚盤胞移植の成績改善

研究成果がアメリカの不妊専門誌「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」に掲載されました。
(原文:https://link.springer.com/article/10.1007/s10815-022-02493-1

概要

GM–CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子)は、免疫機能や生殖機能に関与していることが知られているサイトカインと呼ばれる生理活性物質の一種です
過去の報告では、受精直後の胚から3日目まで培養にGM-CSF含有培養液を使用することで、流産率が低下することが知られていました(Ziebeら、 2014年)。
今回私たちは、GM-CSF を含まない培養液で培養した胚であっても、胚移植当日にGM–CSF含有培養液(SAGE-1Step GM–CSF, Cooper Surgical社製)を使用することで妊娠率が10.8%、出生率が10.4%上昇することを世界で初めて報告しました。
img01
さらにグレード評価で形態不良と判断された胚盤胞(ガードナー分類でCのつく胚盤胞)で妊娠率・出生率が顕著に増加することを確認しました。
img03
img02
GM-CSF 含有培養液を使用したことでの出生児への影響はありませんでした。
今回の研究は、30-39歳の患者様の胚盤胞移植周期のデータを解析しました。
凍結胚融解後の回復培養から胚移植にかけてGM–CSF含有培養液を使用することでGM-CSF の効果が得られることが示唆されました。
img05
img06
今後さらに研究をおこなっていく予定となっております。

論文情報

雑誌名:Journal of Assisted Reproduction and Genetics
論文名:Granulocyte–macrophage colony‐stimulating factor‐containing medium treatment after thawing improves blastocyst‐transfer outcomes in the frozen‐ thawed blastocyst‐transfer cycle.
著者名:Miki Okabe‐Kinoshita・Tatsuya Kobayashi・Masashi Shioya・Tomoharu Sugiura・Maki Fujita・Keiichi Takahashi
掲載日時(オンライン):2022年4月25日

学会参加・発表

  • 2020年 日本IVF学会 KID score D5は6日目胚盤胞の妊娠率も予測する
  • 2020年 日本IVF学会 タイムラプス観察による胚盤胞期胚の収縮と臨床成績について
  • 2020年 日本卵子学会 PIEZO-ICSIによる栄養膜外胚葉小細胞の発生と臨床成績の検討
  • 2020年 日本卵子学会 凍結融解初期胚移植における一部割球変性胚の成績
  • 2019年 日本IVF学会 当クリニックにおける10年間の人工授精の検討
  • 2019年 日本IVF学会 胞胚腔内残存割球における臨床成績と予後の検討          
  • 2019年 日本IVF学会 0PN由来胚盤胞の臨床成績についての検討
  • 2019年 千葉リプロダクション研究会 当院における過去10年間の生殖補助医療の実績
  • 2019年 千葉リプロダクション研究会 精子凍結液の比較検討 
  • 2019年 千葉リプロダクション研究会 人工授精におけるhcg投与の有無とタイミングの影響
  • 2019年 関東アンドロロジーカンファレンス 当院におけるがん患者の精子凍結~胚培養士から見た現状と課題~
  • 2019年 ESHRE 当院の胚移植で使用している顆粒球単球コロニー刺激因子入りの培養液は妊娠率と妊娠継続率を上昇させ        る
  • 2018年 日本受精着床学会「気象リスク」の観点から考える妊娠率
  • 2018年 日本受精着床学会 施設間の胚移送がその後の治療に及ぼす影響
  • 2018年 リプロサイエンス研究会 精子のフリーズエイジング~がん患者における妊孕性温存の観点から
  • 2018年 日本受精着床学会 ミニセッション―癌患者の凍結精子:クリニックが抱える課題―
  • 2017年 日本生殖医学会 当院における医学的適応により精子を凍結保存した患者の使用状況について
  • 2017年 当院における絨毛染色体検査の結果について
  • 2017年 ICSI後の妊娠でなぜ全胞状奇胎になるのか?~症例報告と考察~
  • 2016年 高齢不妊患者での培養液成績の比較
  • 2016年 痩せ型のPCOS患者では、LHが高値であり重症な排卵障害が含まれる
  • 2014年 南房総不妊研究会 不妊症を巡る話題
  • 2014年 千葉リプロダクション研究会 当院におけるAIHの成績~有効性と限界について~
  • 2014年 調査研究ジャーナル 千葉県における過去8年間の性感染症発生調査報告
  • 2014年 千葉市医師会雑誌6月号 最近の不妊治療の動向
  • 2014年 関東生殖医学会5月 0PN、1PN由来の胚盤胞移植の検討
  • 2012年 日本生殖医学学会 Day5およびDay6凍結胚盤胞における妊娠率の変化
  • 2012年 日本IVF学会 凍結融解胚移植におけるEmbryoGlue侵漬時間の検討
  • 2011年 千葉リプロダクション研究会 当院における生殖補助医療の現状~2010年を振り返って~
  • 2011年 千葉リプロダクション研究会 AIHにおける加齢に伴う精子および妊娠率への影響
  • 2011年 日本IVF学会 当院における高年齢患者のART臨床成績
  • 2011年 日本IVF学会 凍結胚移植におけるEmbryoGlueの効果
  • 2010年 日本生殖医学学会 凍結融解胚盤胞移植におけるEmbryoGlueの有効性の検討
  • 2010年 日本生殖医学学会 顕微授精における細径インジェクションピペットの使用成績
  • 2010年 日本受精着床学会 凍結融解胚盤胞移植において胚に一部ダメージが認められた場合の移植結果
  • 2010年 日本受精着床学会 凍結胚移植におけるLaserAssistedHatchingの有用性
  • 2010年 千葉リプロダクション研究会 AIHにおけるクルーガーテストと回収率の検討
  • 2010年 千葉リプロダクション研究会 AIHにおける禁欲期間の影響
  • 2010年 日本生殖医学会関東地方部会 凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期と自然周期の妊娠率と予後の検討
  • 2010年 日本生殖医学会関東地方部会 当院における採卵数1個周期の予後について

活動実績

第5回男性不妊ドクターズ講演会 幕張の動画が公開されました

第5回男性不妊ドクターズ講演会 幕張の動画が公開されました

7月28日(土)幕張メッセで行われました講演会の動画が「MIDS男性不妊ドクターズ」のホームページにUPされました。
院長の講演の様子もご覧いただけますので、是非ご覧ください。
https://youtu.be/cprLp-LGhOk

市民公開講座「夫婦で妊活 心のケアが明日をつくる」で講演を行いました

市民公開講座「夫婦で妊活 心のケアが明日をつくる」で講演を行いました

7月28日(土)幕張メッセにて開催されました「夫婦で妊活 心のケアが明日をつくる」で、
院長が講演を致しました。
出産や不妊治療は夫婦の問題であることから「夫婦間の意欲の温度差、認識のずれをなくすことが必要」と夫婦で理解することの重要さについて講演致しました。
※詳しくは、「院長ブログ」8月6日もご覧ください

「ザ・ドクタージャッジ」名医20人があなたの健康法を徹底議論!に出演しました

「ザ・ドクタージャッジ」名医20人があなたの健康法を徹底議論!に出演しました

6月24日(日)19時からフジテレビで放送されました、「ザ・ドクタージャッジ」に出演致しました。
様々な人が行っている、様々な民間療法・健康法について、現役医師20人が○と×で判定し、それぞれの意見を討論する医療番組です。

コメントは・・・
1)高齢の方や体力が低下している方には、乳児用ミルクを追加で摂取することは、有効な方法ですよ~~!
2)炭酸水は、特に悪いことはないので、水分補給としてどんどんとって下さいね~~!

という、産婦人科医としてはあまり関係のない話が採用されて放映されました。
なかなか産婦人科自体は、一般的な健康法の話題では出番が少なかったのですが、
なんとか足跡は残してまいりました。          高橋敬一

画像

Best Doctorsに認定されました!!

Best Doctorsに認定されました!!

同じ専門の医師同士(婦人科なら婦人科医同士、内科なら内科医同士)が、「もし自身や大切な人が、自らの分野・関連分野の治療を必要とする際、自分以外の誰に治療を委ねるか」という視点で評価し、Best Doctorsに認定されます。
支持し認めて下さった先生方に感謝するとともに、日々、当院で診療に携わっていただいている先生方や様々なスタッフの協力に感謝致します。これを機会に、患者さんに更なる質の高い診療を提供出来るよう頑張っていきたいと思います。

画像

J・YOSHIDA CLINICを訪問!!

J・YOSHIDA CLINICを訪問!!

東京・恵比寿にありますJ・YOSHIDA CLINICは、細胞培養技術を活用し肌年齢を若く保つ肌再生治療をされています。
当院は胚を培養しますが、肌細胞を培養されている「培養」つながりでクリーンルームを見学させていただきました。無塵服を着用し、クリーンルームの心臓部である細胞調整室での写真です。

Dr.Quinnが来院されました!!

Dr.Quinnが来院されました!!

2014年4月
Dr.Quinnは25年前に体外受精の市販培養液を作製した世界的に有名な博士です。
25年前、私は体外受精を日本で先駆けて始めていた虎の門病院で、体外受精にたずさわれたのですが、Dr.QuinnのHTF培養液を使用することで妊娠率が劇的に改善しました。
そのHTF制作者のDr.Quinnが訪問してきてくれたのです。始めてHTFを知ってから4半世紀経っての交流で、非常に感激、感慨深いものがありました。

生殖医療専門医制度認定研修施設に指定されました

生殖医療専門医制度認定研修施設に指定されました

日本生殖医学会より、生殖医療専門医の研修施設として認定していただきました。
詳しくは、院長ブログ2014年4月14日をご参照ください。

体外受精の父、エドワード博士(ノーベル賞受賞者)と共に

体外受精の父、エドワード博士(ノーベル賞受賞者)と共に

2001年10月、第4回IVF研究会(淡路島)懇親会にて

エドワード博士は、とても温和で暖かみのある話し方をされ、英語をあまり理解していないであろう若造にも、笑顔で話して下さりました。今後2度とないであろう、ノーベル賞受賞者との接触でしたが、エドワード博士は握手にも気さくに応じて下さりましたが、暖かく柔らかい大きな手であったと記憶しています。
世界に影響を与える業績を積み上げたにもかかわらず、柔和で、気さくに話しかけて下さったエドワード博士のお人柄は、今でも私のお手本でなのです。
エドワード博士をお手本に、自分の生きがい・存在意義を認識しつつ、エドワード博士の業績の恩恵を一人でも多くの皆さんに届けられるよう精一杯頑張っていきたいと思います。