ブログ

高橋ウィメンズクリニックのブログです。

不育症Up to Dateシリーズ(4)

不育症シリーズ(4)です。
「産科と婦人科」2016年5月号を参考にしてますが、このブログでは、私なりの勝手な解釈で説明していますことをご了解下さい。このシリーズは今回で最終です。なんとか読み切りました。ありがとうございました。

プロテインS欠乏症 (日本人は1~2%)
先天性の血栓性素因(つまり血栓ができやすい)方
プロテインSは、血栓を防止する作用があるので、これが少ないと血栓ができやすく、血管が詰まりやすくなるのです。したがって胎盤の血管が詰まり、流産もおきやすくなるのです。

Ⅻ因子欠乏症
不育症外来では、Ⅻ因子活性60%未満の方は約18%と、多いようです。初期流産の原因として考えられています。
抗PE抗体陽性で、Ⅻ因子欠乏不育症患者さんには、アスピリン単独での妊娠成功率は65%、アスピリン+ヘパリン注射では成功率93%と、併用療法が良い結果でした。
抗PE抗体単独陽性では、必ずしも流産の原因とは言えないようで、流産を繰り返す場合にのみ治療の適応であろうとしています。念のための治療としては、アスピリン程度でよいかもしれませんね。

その他、黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常についても記載がありましたが、それぞれ通常の対応をすれば十分であると思います。

血液凝固異常の場合には、基本的には、低用量アスピリン(バイアスピリン)とヘパリン注射が使用されます。しかし、その開始時期は必ずしも明確ではありません。今回の特集でも、この件に関しての記載はありませんでした。
当クリニックでは、妊娠してからアスピリンを開始しています。ただし、ARTで妊娠する可能性が十分期待できそうな場合には、(不妊治療の一環として使用することもあるのですが)妊娠前からアスピリンを投与することもあります。使用終了時期は、妊娠28週までとされていますが、以前は34~36週ぐらいまで使用されていましたし、本当はその方がよいと思っています。「28週までで十分だから」という理由ではなく、製薬会社が責任を逃れるために、根拠も無く妊娠28週以降は禁忌という 添付文書が付きました。妊娠28週でアスピリンを終了する産科医が多いのは、この添付文書に沿って使用するしかないからなのです。
ヘパリン注射は、当クリニックではおこなっていませんが、心拍が確認されてからの使用を目安としています。しかし、これも各施設により異なります。妊娠したらすぐに開始する施設もあります。当クリニックでは心拍を確認してから紹介するので、必然的にヘパリン開始は、心拍確認して転院してからの使用開始になります。








一覧に戻る