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高橋ウィメンズクリニックのブログです。

AMH<0.1での妊娠例(両側チョコレート嚢腫手術後)

今回、AMH<0.1での幸運な妊娠がありましたので、ご紹介致します。
30代後半の方で、両側のチョコレート嚢腫の手術歴がありました。来院時すでにAMH<0.1、FSH:22の重度の卵巣機能低下状態であり、すぐに体外受精を開始致しました。
①自然周期で1個採卵するも、受精せずキャンセル。卵子の状態は不良。
②自然周期で、採卵時排卵済みでキャンセル
③クロミフェン周期で、採卵時排卵済みでAIHに変更
④自然周期で1個採卵するも受精せずキャンセル。
⑤HMG注射で排卵誘発し、1個採卵し、受精。胚移植し妊娠するも初期流産。
⑥HMG注射で排卵誘発し、3個採卵し、受精卵無くキャンセル。
⑦アロマターゼ阻害剤内服で1個採卵し、受精、胚移植し、妊娠。
この方は、幸運にも胚移植できた場合には2回とも妊娠しています。しかし、やはり卵胞が少ないと、採卵できない、受精しない、などもあり、胚移植までいけないキャンセルの場合も多くなるのです。

今回の参考点としては、両側のチョコレート嚢腫を手術する場合には、卵巣機能が極端に低下する可能性があることを皆さんにはご理解頂く必要があります。
チョコレート嚢腫を手術すると、一般的には妊娠率が上昇します。したがって手術の有用性を否定するものではありません。しかし、特に両側の卵巣の手術をおこなう場合には、卵巣機能がとても低下して、その後の体外受精でも、卵子がなかなかとれない場合もしばしばおこるのです。
したがって、チョコレート嚢腫の手術はできるだけ片方にしておく、体外受精も見据えた中期的な計画も考慮する、応急処置ではありますが卵巣嚢腫内容除去術なども考慮する、なども考えても良いと思います。

この方の今後が順調に経過することをお祈りするのみです。

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