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高橋ウィメンズクリニックのブログです。

卵管水腫切除が妊娠に繋がった方(重症の卵管水腫は着床を妨げます)

両側の重症の卵管水腫があり、4回胚移植をしても妊娠しなかった方が、卵管を切除して1回目の胚移植で妊娠された例がありました。卵管水腫の悪影響と卵管切除の有効性を感じた例ですのでご紹介致します。
30歳前の方で、クラミジア感染によると考えられる、重症の両側の卵管水腫を持つ方に、体外受精で新鮮胚移植1回、凍結胚盤胞移植を3回おこないましたが妊娠されませんでした。超音波検査で確認できる卵管水腫は重症と考えられます。重症の卵管水腫があると、体外受精でも妊娠率は1/2~1/3に低下します。採卵時にこの水腫の内容液を吸引除去することで、ある程度の妊娠率の改善を期待は出来るとされます。この方も採卵時に両側から10mlの卵管内溶液を吸引除去しました。また3回目の凍結胚移植の2日前にも20mlの卵管水腫内容液を吸引しました。しかし、4回の胚移植で妊娠されなかったのです。
御本人と相談して、腹腔鏡で卵管水腫の片側の卵管切除と、対側の卵管切断(片方は癒着が強く切除できなかったので子宮内腔との連絡を着れば良いので切断したのみ)をおこないました。そして胚移植をすると、術後初回の凍結胚盤胞移植で妊娠されました。

今回は、卵管水腫がある場合の手術の有効性を実感した例です。
超音波で確認できる重症の卵管水腫があって、卵管水腫内容液を吸引してもなかなか妊娠されない反復不成功の場合には、手術を考慮することも選択肢と考えてみては如何でしょうか。
単に体外受精のみをおこなっていても妊娠に至らない場合は良くあります。特に反復不成功の場合には妊娠までは総合的に考えての治療方針を考える事を今後も追求していきたいと思います。

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