No.13145 みみ
始めまして。
他院に通っている者ですがいつもこちらの掲示板を拝見しております。
お忙しいところ、いつも丁寧に皆様からのご質問を回答されていて、私としてもよく参考にさせて頂いております。
今後の治療方針について悩んでおります。
よろしければ先生のご見解を頂けると大変助かります。
●状況
•43歳、AMH 2.54(2023/9時点)
•顕微受精歴約2年、化学流産1回、稽留流産1回
•稽留流産の原因が染色体異常のため、それ以降毎回の採卵は必ずPGTA実施し、正常胚があれば移植という方針
•ただ、今まで10回採卵したが1回も正常胚がなく、移植可能なモザイク胚が1個のみ
•採卵では平均10個前後卵が取れ、毎回胚盤胞まで育ち、PGTA検査個数は20個近く
•卵巣刺激では飲む薬、注射、トリガーなど種類を色々変えて試したが、毎回胚盤胞になったものの、PGTA検査では正常胚得られず
•なお、PGTAに出せないBC,CCグレードの胚盤胞が6個ある
●ご相談内容
•なかなか正常胚が得られないので今周期はモザイク胚を移植する予定です。
•これで上手くいけば良いのですが、良い結果が出ない場合、今後の治療をどうしようか悩んでおります。
•また採卵するか、BC,CCグレードの胚を移植するか、卵子提供に切り替えるか、で悩んでおります。
•確率の観点では、採卵を繰り返すことやグレードの低い胚の移植よりも卵子提供の方が妊娠•出産への道が近いのは頭で分かっていますが、どこかで自己卵を諦めきれない自分がおります。
年齢のこともあり、焦っていますがなかなか方針が決まらず毎日モヤモヤしています。
お忙しい中恐縮ですがご意見を頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
高橋敬一院長からの回答
なかなか正常胚が得られず、お困りのことと思います。年齢的には、5個中4個は染色体異常であっても不思議ではない状況です。したがって正常胚を得るためには、できるだけ多くの胚盤胞を得る方針になります。胚盤胞がこれだけ得られているのはとても良い状況です。今後の方針として、モザイク胚の移植、BC.CCの胚の移植はおこなってよいと思います。その中に染色体正常胚がある可能性もあるのです。それがダメだった場合の方針は分かれます。現実に「妊娠・出産」を希望するならば、卵子提供が最も可能性が高くなります。アメリカで2個胚移植する場合には、胚移植当たり70%程度の妊娠率が得られます。もしご自身での胚移植にこだわるならば、一例として、今後はPGTAをおこなわずに2個胚移植を繰り返す、という方針があり得ます。PGTAは絶対に正しい検査ではなく、PGTAで異常胚の移植でも1000個の移植で2例ほどの正常児の出産例もあるのです。もし胚盤胞が得られなくなったらば卵子提供に移る、という方針です。残念ながら、「正解」の方針は誰にもわからないのですね。一例として挙げさせていただきました。