No.13775 はち
高橋先生、いつも掲示板で大変勉強させていただいております。また、同じように悩み苦しんでいる女性がたくさんいるのだということにも、勇気づけられております。
反復流産におけるEMMA/ALICE検査の意義について、高橋先生のご意見をお聞きできないかと思い、相談させていただきます。
今32歳で、29歳のときに自然妊娠で1人出産しています。2人目希望で一般不妊治療(主にタイミング指導)を受け、今年に入って2回妊娠したのですが、いずれも9週(心拍確認後)、7週(胎嚢と卵黄嚢のみ)で初期流産となりました。2回目の流産手術はこれからです。
一度目の流産の際に一般的な不育症採血は済ませており、とくに引っかかる項目はありませんでした。
今回、不妊治療クリニックで自費の「EMMA/ALICE検査」を勧められました。簡単なパンフレットを渡され「反復着床不全や、あなたみたいな反復流産の人にこの検査をすると何かしら引っかかる人が多いから。」と言われました。
しかし、素人なりに調べた範囲では、着床不全という概念自体がまだ曖昧なようであったり(本当の着床不全はかなり少ないのではという議論がある?)、仮に抗生剤加療や乳酸菌製剤投与を行っても妊娠率の有意な上昇は証明されていない?など、、高額なお金を払ってまで現段階で検査するべきなのか、迷っています。
それをやんわりと主治医に伝えてみましたが、「じゃ、検査しないで次もまた流産したらどうするの?」と言われてしまい、迷いを感じると共に、今の主治医を本当に信頼していいものか悩んでいます。
現状、EMMA/ALICEはどういう位置づけなのでしょうか。
高橋先生であれば反復流産患者にこの検査を積極的にすすめますか?
自分自身としては、すぐにでも妊活を再開したいと考えており、EMMA/ALICEを行うことで検査周期(+異常があれば治療周期)に妊活ができずストップする点が最大のデメリットと感じています。
反復流産となり、調べられることは何でも調べたいと思い、今回の流産で夫婦染色体検査や精子DFI検査は行う予定ですが、一方で意味があるかどうかも分からない検査のために妊活を延期するのもどうなのか…と悩んでいます。
田舎で病院の選択肢もほとんどなく、セカンドオピニオンを受けるのもなかなか難しく…。どうかよろしくお願いいたします。
高橋敬一院長からの回答
他施設の治療についての評価やコメントはしておりません。したがって、当クリニックでの一般的な考え方を記載いたします。2回の流産はしばしばおこることであり、次回何もしないでも75%はうまくいく確率です。すでにお子様がいらっしゃるので、さらに何か問題がある可能性は低く、2回の流産は偶然起きた胎児の染色体異常が原因である可能性が最も高いと考えられます。今回は念のための不育症の検査もしているので、十分検査はおこなっていると思います。EMMA/ALICEは当クリニックでは採用していませんが、本来は着床障害の検査です。反復流産に有効な検査かどうか明確な根拠は薄く、当クリニックではおこないません。夫婦の染色体検査は、不育症の検査としては一般的なものなので、その検査の一環としては受けてもよいと思います。DFIは、今後採卵をするならば多少の意義はありますが、流産との関連は大きくはなく、「無駄ではない」という程度で、当クリニックでは不育症の検査項目には入れていません。当クリニックならば、現状で十分な検査をしているので、そのまま胚移植をする方針になると思います。実際の治療は担当医とのおこなうので、念のため、として受ける選択肢もあります。慎重に相談しながらの治療になると思います。