No. 5683

はじめまして。他のクリニックで、生理開始から7日目に卵管造営検査を行いました。検査後、今周期は必ず避妊するようにと言われ、なぜなのか聞いたところ、赤ちゃんに甲状腺の異常がでる可能性があり、安全性を考慮してのこと、とのことでした。(最近添付文書が変わり、避妊を絶対とするようになったとも仰っていました)数分で、1日のみで終わりましたが、油性の造営剤でリピオドールでした。独自のタイミング法で1年、その後通院をはじめて半年になりますので、一周期も無駄にしたくない気持ちがあります。やはり避妊は必要でしょうか。生理周期は26~28日です。よろしくお願いいたします。

No.5683 あき

カテゴリ: 卵管造影検査

はじめまして。他のクリニックで、生理開始から7日目に卵管造営検査を行いました。検査後、今周期は必ず避妊するようにと言われ、なぜなのか聞いたところ、赤ちゃんに甲状腺の異常がでる可能性があり、安全性を考慮してのこと、とのことでした。(最近添付文書が変わり、避妊を絶対とするようになったとも仰っていました)数分で、1日のみで終わりましたが、油性の造営剤でリピオドールでした。独自のタイミング法で1年、その後通院をはじめて半年になりますので、一周期も無駄にしたくない気持ちがあります。やはり避妊は必要でしょうか。生理周期は26~28日です。よろしくお願いいたします。

高橋敬一院長からの回答

卵管造影検査で、造影剤を使用することで、まれに赤ちゃんの甲状腺に影響が出る可能性はあるのはその通りです。これは、卵管造影検査に限らず、他の造影剤でも妊娠する前に使用すれば、その可能性があります。ただし、使用した周期に妊娠した場合が問題だとの認識は指摘されてはいません。手元にある薬剤の能書にも、その周期が危険であるとの記載はありません。念のために薬品会社にも確認してみます。もしそのような変更があった場合には、再度皆さんに告知致します。

ブログにも書きましたが、追加致します。2018,3,24
1)リピオドールは1本10mlの油性造影剤です。検査時にしっかりとした造影像が得られて比較的正確な診断ができるとと、その後の妊娠率が比較的高いために当クリニックでは第1選択で使用しています。
造影剤にはヨードが含まれており、リピオドールは数ヶ月から1年程度、吸収されるまでに時間を要するので、その影響で赤ちゃんに、一時的に甲状腺機能低下状態になる可能性があるとされます。その頻度は、報告では、212例中5例(2.4%)程度であり、出生後の一時的な甲状腺機能低下だったようです。
しかし、これらはリピオドールを2本(20ml以上)以上使用した人がなっているようです。
当クリニックでは、通常は5ml以内で済ませており、圧力を必要とする方は10ml使用しています。ごく希に、子宮筋腫などで子宮内腔が拡大している方には20ml以上使用することもありますが、その場合には、造影剤は膣内に流出して、体内には残らないのですね。

2)イソビストは、1本10mlの水溶性造影剤で、数時間で吸収されてて排出されます。したがって、甲状腺に少し問題があっても使用可能です。またその後妊娠しても赤ちゃんへの影響は、能書には記載されていません。一方、造影剤のが薄いので、HSGの診断は少しわかりにくくなります。その後の妊娠率はリピオドールに比較して低めです。

3)以上より、HSG検査周期の避妊は必要なく、その周期の避妊の有無で、妊娠、出産への新生児への問題には影響しないと思います。不妊治療としては<その周期はチャンスなのですね。

4)当クリニックでは、造影剤のの使用量は少なく、赤ちゃんへの悪影響はほとんどないと判断しており、またその後の妊娠率は比較的高いので、主にリピオドールを使用しています。避妊は必要ありません。

一方、甲状腺に問題がある場合や、赤ちゃんへの影響が気になる方は、診断の精度が落ちる、検査後の妊娠率が多少下がるという、デメリットもありますが、イソビストを使用しても良いともいます。

5)造影剤の能書は最近変更はないようですが、検査周期に避妊については記載はされていません。