No. 9497

いつも先生の掲示板を拝見して勉強させて頂いております。 地元のクリニックで体外受精をしましたが、5回移植して全て陰性でした。胚盤胞移植です。 着床前検査を検討しているのですが、以前先生の掲示板で「胚の一部を取るため、胚への悪影響があるため、慎重な判断が必要」と見たのですが、胚への悪影響とはどういう事でしょうか? 例えば染色体の誤診断や、胚の一部を取ったことにより、障碍児が生まれるということでしょうか?

No.9497 No.9490 茜

カテゴリ: 着床前診断・遺伝 着床障害

いつも先生の掲示板を拝見して勉強させて頂いております。

地元のクリニックで体外受精をしましたが、5回移植して全て陰性でした。胚盤胞移植です。
着床前検査を検討しているのですが、以前先生の掲示板で「胚の一部を取るため、胚への悪影響があるため、慎重な判断が必要」と見たのですが、胚への悪影響とはどういう事でしょうか?
例えば染色体の誤診断や、胚の一部を取ったことにより、障碍児が生まれるということでしょうか?

高橋敬一院長からの回答

5回胚移植して陰性ですので、着床前診断の適応になります。しかし、着床前診断は、胚の周辺の細胞を少しちぎり取ってくるものです。したがって、その操作により、本来持っていた着床する能力よりも少し低下する可能性もあるのです。一方、流産率を下げたい方や、無駄な胚移植はしたくない、と考える方には着床前診断は良い方法です。診断としては、判断が難しいモザイクなども時々ありますし、一部を調べているだけなので、全体とは異なる可能性もあります。障害児が増えるとの報告はありません。いずれにしても、遺伝カウンセリングをご夫婦で受けて、理解・同意してからでないと着床前診断の臨床試験には参加出来ないのです。着床前診断以外にも、慢性子宮内膜炎やフローラ、免疫能検査などもあります。まだこれらも受けていないならば受けても良いと思いますよ。