No. 9680

貴院で体外受精を希望しています。 最近、サイトメガロウィルスの抗体がないことがわかりました。 成人女性の90%はこの抗体を持っているということですが、 私は抗体がありません。 妊娠中に感染するとお腹の胎児の奇形や障害が現れることを知り、こんな恐ろしいウィルスの抗体がないと知り、コロナよりも怖いです。 唾液や尿から感染するようですが、1歳の子供がおり、二人目不妊で治療を希望しているのですが、子供のお世話で唾液や尿に触れることは毎日です。 私のような場合はサイトメガロウィルスに感染してから、不妊治療を始めた方が良いのでしょうか?

No.9680 No.9677 日紗子

カテゴリ: 薬剤・ワクチン 体外受精・顕微授精

貴院で体外受精を希望しています。
最近、サイトメガロウィルスの抗体がないことがわかりました。
成人女性の90%はこの抗体を持っているということですが、
私は抗体がありません。
妊娠中に感染するとお腹の胎児の奇形や障害が現れることを知り、こんな恐ろしいウィルスの抗体がないと知り、コロナよりも怖いです。

唾液や尿から感染するようですが、1歳の子供がおり、二人目不妊で治療を希望しているのですが、子供のお世話で唾液や尿に触れることは毎日です。

私のような場合はサイトメガロウィルスに感染してから、不妊治療を始めた方が良いのでしょうか?

高橋敬一院長からの回答

サイトメガロウイルスにご不安のことと思います。調べてみましたが、最近ではサイトメガロウイルスの抗体保有率は70%程度だそうです。ざっくり言うと、おおまか3人に1人は抗体を持っていないともいえます。したがって抗体を持っていないことが珍しいのではないのですね。30%の抗体を持たない妊婦さんは、1~2%がサイトメガロウイルスに妊娠中に感染し、そのうち約40%が胎児の感染をおこすようです。ただし、サイトメガロウイルスに感染した赤ちゃんのうち80%は出生時には無症状のようです。難聴や精神遅延をその後認めるのは、サイトメガロウイルス感染の赤ちゃんの約10%程度のようです。確かに少なくはありません。
一方、問題は、サイトメガロウイルス感染のワクチンがないことと、感染症状はほとんどないか、あっても発熱、だるさ程度のようです。したがって、故意にサイトメガロウイルスに感染する事はできません。
サイトメガロウイルスの感染は「上の子ども」からうつることが多いようなので、予防策としては、
サイトメガロウイルスを含んでいる可能性のある小児の唾液や尿との接触を妊娠中はなるべく避けるようにする。
以下のような「上の子」との接触あとには、頻回に石けんと水で15~20秒間は手洗いをする。・おむつ交換・子どもへの食事介助・子どものハナやヨダレを拭く・子どものおもちゃを触る、など
●子どもと食べ物、飲み物、食器を共有しない  ●おしゃぶりを口にしない ●歯ブラシを共有しない ●子どもとキスをするときは、おでこにする
●玩具、カウンターや唾液・尿と触れそうな場所を清潔に保つ などのようです。
かなりコロナ感染予防と重なるところがありますね。
考え方にもよりますが、妊娠するまでは特別にするべき事はなく、妊娠したらば再度抗体検査をおこない、抗体がないようならば、コロナ感染予防と同じような対策をとる、という方針では如何でしょうか?
もしご納得なさったならば、妊娠は早い方が良いので、進めてみては如何でしょう。当クリニックの診察をご希望でしたらば、受付へのお電話で予約をおとり頂けますか。お待ちしております。